中国の占いの考え方

いにしえの人々は自然とともに暮らす中で、太陽の動き、風の流れなどにエネルギーと一定のリズムがあることを発見しました。そしてそれに従えば幸運で逆らえば不運になると気付き、このことを生活に役立てるためにこれらの法則を体系化し占いとして発展させてきました。中でも「陰陽思想」と「五行説」、「干支」、「九星」は東洋の占いの最も基本となる考え方ですので簡単に紹介します。

・陰陽思想
古代中国占術の原点。この世の事象すべては陰と陽からなっていて、この二つの要素が補いあい調和して発展するという考え方。男女、昼夜、裏表、強弱など物事はすべて陰と陽、プラスとマイナスの二つに分けられ、これらが均等になることでうまく成り立つというもの。

・五行説
天地万物はすべて木・火・土・金・水の五つの要素から成り立っているという考え方。

・干支(えと)
十干(じゅっかん)と十二支(じゅうにし)とがあり、陰陽や五行とも関わっている。十干は天の気を意味し、甲(きのえ)・乙(きのと)・丙(ひのえ)・丁(ひのと)・戊(つちのえ)・己(つちのと)・庚(かのえ)・辛(かのと)・壬(みずのえ)・癸(みずのと)の十種類に分けられる。十二支は地の気を意味し、子(ね)・丑(うし)・寅(とら)・卯(う)・辰(たつ)・巳(み)・午(うま)・未(ひつじ)・申(さる)・酉(とり)・戌(いぬ)・亥(い)の十二種類に分けられる。

・九星
天の気と地の気が合わさったもの。天地のエネルギーを意味し、一白水星(いっぱくすいせい)、二黒土星(じこくどせい)、三碧木星(さんぺきもくせい)、四緑木星(しろくもくせい)、五黄土星(ごおうどせい)、六白金星(ろっぱくきんせい)、七赤金星(しちせききんせい)、八白土星(はっぱくどせい)、九紫火星(きゅうしかせい)の9つに分けられている。



★気学(方位・家相)

天(宇宙)と地(地球)の摂理をあらわしたものです。東・西・南・北・東南・南西・西北・北東の八つの方位にはそれぞれ異なる自然のエネルギーがあり、どの方位に移転・新築などをするかによって受ける影響も異なります。この自然の法則に従えば幸運に恵まれ、吉方位を使用または吉相の家に住むことによって金運・健康・良縁など自分の希望が達成できますし、どんなに運勢の悪い人でも運勢を好転させてバラ色の人生を得られる積極的な開運法です。なお、方位を決める場合はあなたが寝起きしている場所を中心として考えます。


★九星術

九星は人が生まれたときに一白から九紫までのどの精気を吸い込んだかによって運命や性格を占います。ちなみに西洋占星術(星座占い)と似ているようですがまったく別ものです。


★易占

易学は歴史でも習う「四書五経」の一つで「帝王の学」とも呼ばれ、古代中国の王や学者たちが国を治めるための手段として学んできたもの。易は「現在はどうあるべきか」「未来はどうなるのか」「その未来のために何をすべきか」を具体的に示しており、手相、人相、姓名判断など東洋の占術のもとにもなっています。正式には「筮竹(ぜいちく)」という50本の棒を使って占いますが、5枚の10円玉と1枚の100円玉を使っても同様の結果を得られます。コインを手の中でふって上から順番に並べ、コインの裏表の組み合わさり方と100円玉の位置によって現在の状態と、それが今後どのように変化するかがわかります。未来がわかればするべきことも見えてきます。的確に幸運をつかむ方法と不運をどう乗り越えるかを教えてくれるため、多くの政治家や企業のトップたちが易を学んできたことは意外と知られていません。


★手相

人生を大きく左右する「運命」がはっきり現れる場所が手であり、手から運勢を読みとる方法をまとめたのが手相術です。だれでも基本を知れば簡単に占えることから大変人気のある占いですが、それだけに誤解も多いようですので簡単にまとめてみました。
・手相はつねに変化するもの----生命線や知能線、感情線などは人が生まれ持っている線で本来の位置から動くことはないが、その他の細かい線は運勢の動きを反映して常に変化している。
・片手だけでなく両方の手で判断する----原則として左は生まれつきの運勢や無意識の部分があらわれ、右には後に受ける影響や意識的な部分があらわれるため、両手を見ることでより正確な判断ができる。
・手相は手のひらの線だけではない----手の大きさや手のひらの色、手の肉の厚さや弾力なども含めて関係する。


★人相

人相というと「顔」のことと思われるようですが、実は「人の相」のことであり、頭のてっぺんからつま先までが顔に要約されてあらわれているということです。顔はその人の運命や隠された性格がはっきりとあらわれるため注目されています。顔は心を映し出す部分であり、心の持ち方で良い人相にも悪い人相にも容易に変わるもの。良い人相になれば運勢も良くなり、悪い人相になれば運勢も悪くなります。顔の見方はいくつかありますが、最もポピュラーなのが目、鼻、口などのパーツから見る方法。他には顔を横に三等分して上から青年期、中年期、晩年期の運勢を見る方法や、顔全体を12のエリアに分けてそれぞれのエリアがあらわす運命を読みとる方法などがあり、より正確に人相を読み解く場合はこれらの方法を総合的に用います。ホクロやキズ、シワなども人相を見る上で重要な要素です。


★姓名判断

姓名判断の基本となる考えは、真の幸福は心の平和であり、お金や学歴などではあがなえない貴重なものを呼び込むために最も重要なのが「名前」であるというもの。古来からの長い実績と研究の結果、良い名前の法則が明らかになり、それをまとめたのが姓名判断です。判断するには名前の画数が重要ですが、このとき大切なポイントは日常的に使う書体でふつうに数えるということ。例えば「沢」という時は7画ですが、旧字体で書けば「澤」の16画で画数は大きく異なり、従って示される運命も異なってくるわけです。しかし普段「沢」の方を用いているなら7画として数えます。姓名判断は名前の合計画数だけでなく、姓の合計画数を「祖運」、姓の最後の字と名の最初の字の合計画数を「主運」、名の合計画数を「初運」、姓名全部の合計画数から主運数を除いた数を「助運」、そして姓名全部の合計画数を「総運」というように一つの名前を五つの構成に分けて総合的に判断します。


★四柱推命

生まれた年、月、日、時刻の四つの柱をもとに、その人の持って生まれた運勢を判断します。占い方を簡単に説明すると、四つの柱から「命式」というものをつくり、総合的に運命や性格、仕事や恋愛、未来などを判断します。